常人逮捕という言葉を聞いたのは、3日に、起きた事件のテレビニュースでの事です。

その事件の内容は、福岡県田川市の市立中学校で、男性教師が顔を男子中学生(14)に殴られたため、

男性生徒を現行犯で常人逮捕して警察に引き渡したという事件でした。

 

(私としては、この中学生を殴られたからといって、教師が直ぐに警察に引き渡す必要があったのか?
生活指導とか他の対応の仕方があったのではないかと思ってしまいましたが、
それは、別の機会に書くとして、)

 

私は、この事件の報道で、初めて常人逮捕という言葉を聞きました。

この報道から察すると、常人逮捕とは、警察官以外の一般の人が、現行犯を逮捕する事かな?と思いま

したが、もう少し正確に調べて見る事にしました。

 

調べて見た結果、常人逮捕とは、「一般人による現行逮捕のこと。私人逮捕ともいう。」という事でし

た。

刑事訴訟法により「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と規定さ

れていて、そして逮捕後は、直ちに「直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察

職員に引き渡さなければならない。」とも規定されているそうです。

 

ただ、常人逮捕(私人逮捕)を行うためには、次の要件を満たす必要があるそうです。

 

1.犯人が現行犯人、準現行犯人であること(刑事訴訟法212条)

これは、理解できますね。現行犯であるため、誤認逮捕の心配のなく、逮捕しないと犯人は逃げてしまいますから。

準現行犯人というのは、犯罪現場から走って逃げている途中とか、犯罪に使った凶器を持っていると

か、誰が見ても犯人だという事を確信できる事です。

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2.30万円以下の罰金、拘留、科料にあたる罪の場合(刑法では、過失傷害罪・侮辱罪)は、犯人の住

居、氏名が明らかでなく、又は犯人が逃亡するおそれがある場合(刑事訴訟法217条)。

 

2.は、分かりにくいですが、かみ砕いていうと、過失傷害罪・侮辱罪の比較的軽い罪であったとして

も、犯人の住居、氏名が明らかでなく、又は犯人が逃亡するおそれがある場合は、常人逮捕できるとい

う事です。

 

今回の事件は、殴られた男性教師本人が自ら、常人逮捕をして、直ちに警察へ中学生を突き出している

のですから、法的には問題のない事なのですが、私には釈然としない思いが残ってしまう事件でした。

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